イヤなパワハラ上司からの攻撃!あなたは被害者?元加害者?
パワハラ上司との付き合い方・その前に…!
攻撃的なパワハラ上司への対処法について、
セッションを繰り返すうちに、マサトさんの思い込みや思考の偏りが少しずつ和らいでくるのがわかりました。
言葉で表現するのは難しいのですが、切羽詰まったようなしゃべり方や、なにか『地に足がついていない』ような雰囲気というものがなくなっていったのです。
「自分が正義で上司は悪」
といった観念も、かなり解けていきました。
しかし会話を重ねていくうちに、どうしても捨てることができない『美学』のようなものがあるのに気づいたのです。
それは、「自分がされてイヤだったことは、人にはしない」というもの。
小学生ぐらいの頃、親や先生によく言われた言葉そのものです。
もちろん、その教えは立派なものであり、正論です。
子どもに道徳教育を授けるとき、表現は違っても多くの国で教えられていることかもしれません。

ただ、これも頑なに守ろうとすると、『足枷(あしかせ)』になってしまいます。
「自分がされてイヤだったことは、人にはしない」という言葉を別の角度で解釈すると、
「イヤことをしてくる上司に自分はよく耐えている。そして、自分より下の者に同じような仕打ちをしない自分はなんていい人なんだろう」
という心理を感じることができます。
これこそ、自分の前進、自分の成長を止めてしまう『 固定観念 』以外の何物でもありません。
前回の核心となる部分を思い出して欲しいのですが、
こういった思考に陥ると、結局自分を苦しい状態に追いつめてしまうことになります。
自分がいい人であることを証明するために、上司がイヤなことをしてくる必要が生まれるからです。
ことあるごとに、自分がこうした思考パターンになっていないかを振り返ることが大事になります。
そもそもマサトさんは本当に、自分がされてイヤなことを他の人にしたことがないのでしょうか?
もちろんそんなことはありませんでした。
聞き取っていくと、マサトさんの中学・高校時代、それぞれの3年生のときには、下級生をかなり攻撃したといいます。
マサトさんはずっと、中高と一貫してサッカー部でした。
どちらのときも、1年生時は先輩にシゴかれ、馬鹿にされ、使いっぱしりのようなこともされたそうです。
しかし、結局は自分達が最上級生になると、同じようなことを今度はする側に回ったのです。
誰にも、「凶暴性」というものが備わっています。
それを変に否定して”被害者ヅラ”ばかりしていると、”被害”を呼ぶ体質になってしまうのです。
繰り返しになりますが、
被害者でいるために、加害者が目の前に現れてくれる必要がある
からなのです。
さあ、翻って考えてみましょう。
あなたにも、同じような経験
同じような感情が ありませんか?