「威圧的な人に心が傷つけられた…」は、間違い
威圧的な母親をもった人が立ち直るためのセッション
前回の投稿により、批判的・攻撃的な人がしてくる行為で自分の体が傷つけられることがないことはわかりました。
でも、
心は傷ついているんです」
私が相談を受けている方達で、多くの人が次の段階でこう言われます。
人の感情は移ろいやすいものです。
身体と違って、心は周囲からの情報・環境によって簡単に変化してしまうというのは納得できます。
しかし、です。
その『心』も、結局はあなた自身が変化させているということを理解して下さい。
分かりやすくお話するため、
私が行っているセッションで以前コンサルティングを受けていただいた方のケースをご紹介します。
私に相談を持ちかけてきたミカさん(仮名・33歳)は、いつも批判的で何かと干渉してくるお母さんのことで悩んでいました。
中学生の頃からというのですから、20年近い歳月です。
お母さんは、(自分が母親にそうされてきたからか)ミカさんに対して攻撃的な言葉を毎日あびせてきたそうです。
「まったく、何もできない子ね」
「ほんとにあんたはグズなんだから」
「これぐらいの(家事の)手伝いができないようなら、結婚してくれる人なんていないわよ」
などと、一日に必ず一度は落ち込むようなことを言われ続け、しかも年々エスカレートしているというのです。
最初にセッションを受けていただいた、そのときのミカさんは確かに元気がなく、毎日を生きるエネルギーが失われていました。
そこで私は、相手の態度・表情・言葉ではミカさんの体も心も直接傷つけられないこと、そしてそれはミカさん自身の過剰な反応に過ぎないことをじっくりと説明したあと、こう言いました。
「お母さんがしたこと・言ったことに感情で反応するのはやめて、”事実”だけを冷静に見て下さい。
お母さんはただ単に、
『あなたは何もできない子』
『あなたはグズ』
『あなたは家事ができない・だから結婚してくれる人はいない』
ということを”言っただけ”なんです。
そして、現実はそうではないということを、ミカさんは知っています。
実際のミカさんはいろんなことができるし、
いろんなことをテキパキこなせるし、
できる家事もいくつもあるし、
結婚相手もこれから現れる可能性が高い(そもそも家事ができなかったら結婚相手がいないということも真実ではないでしょう)。
ですから、何かの現実に過剰なリアクションを起こすことをやめて、自分自身と現実を冷静に正しく見ることを練習したらどうでしょう?」と。
ミカさんにとってはかなり「なるほど」と思えたらしく、アドバイス通りお母さんが発する言葉をいちいち深く受け止めないようにし始めました。
すると、日に日に気持ちが楽になっていくと同時に、お母さんの批判的な攻撃の度合い・頻度とも落ちていったと、3ヶ月後に嬉しそうに話してくれました。
